作文と小論文のちがいって何?書き方のコツを例文つきで紹介

今回のテーマは小論文です!作文(感想文)と小論文のちがいって何!?と聞かれて、あなたは答えられるでしょうか。

うっ、そう言われるとちょっと…、、、

実は作文と小論文では、文章の目的や構成が全くちがうんです!今回はこの記事で作文と小論文のちがいを言えるようになって、小論文マスターへの第一歩を歩み始めてください!

★この記事はこんな人におすすめ

  • 作文と小論文のちがいがわからない
  • 論理的な文章を書くコツが知りたい
  • 小論文を書くコツが知りたい
  • 小論文を書いたつもりなのに小論文になってないと言われたことがある
  • 小論文の添削ができるようになりたい

★この記事を書いた人

  • 塾長のらいむら先生です
  • 国立大教育学部を卒業
  • 大手個別指導塾に8年間勤務
  • 1,000人以上の生徒さんの指導に携わる

作文と小論文のちがい

早速表にまとめると、次のとおりです。

 作文小論文
文章のゴール文章で自分の考えを相手に伝えること文章で自分の考えを相手に納得させること
文章の構成主張(言いたいこと)は最後までとっておく最初に主張(言いたいこと)を書く

文章のゴール?構成?考えたこともないんですけど…、

ってなりますよね。それぞれどういう意味なのか、順番にみていきましょう!

先に共通点を

ちがいを探す前に、作文と小論文の共通点をあげてみます。

どちらも、自分の考えを読み手に伝える文章という点で共通しています。書く人に主張(言いたいこと)があって、それを文章にしたものが、作文や小論文です。ですので、主張がなければ、作文も小論文も書くことができません。

よく「何を書けばいいか分からない」と悩む生徒さんがいますが、非常に本質的で良い悩み方だと思います。作文や小論文は、自分の主張を何にするかを決めることから始まります。

ちがう点① 文章のゴール

ここからは作文と小論文がどうちがうかを見ていきましょう!はじめのポイントは、文章のゴール(何を目指すか)です。

  • 作 文:文章で自分の考えを相手に伝えること
  • 小論文:文章で自分の考えを相手に納得させること

作文のゴールは、文章で自分の考えを相手に伝えることです。文章で伝えないといけないのが難しいですよね。LINEでメッセージを送るみたいに、スタンプや略語を使って作文していいならすごくラクなんですが。笑

でも作文の方がまだラクかもしれません。小論文では、自分の考えを相手に伝えるだけではなく、相手を納得させることがゴールです。確実にレベル上がっちゃってますねコレ。笑

「小論文になってない」と言われたことがある方は、たぶん、自分の考えは書けているけど、なぜそう考えたかが書かれてなくて、相手を納得させられていないんだろうと思います。

納得させるために必要なこと

相手を納得させるってなんだか難しそう…。

大丈夫!納得させるためのコツは次の2つです。

  • 理由を3つ出す
  • 客観的に書く

1つ目は、理由を3つ出すことです。理由が3つ書いてあれば、それなりに形になります。

【例】私は四季の中では秋が好きです。理由は3つあります。おいしい食べ物がいっぱいあって、気候が良くて、私が生まれたのが秋だからです。

2つ目は、客観的に書くことです。客観的というのは、自分ではなく読み手の視点に立って書くということです。

例えば上の例文では、秋が好きな理由に「気候が良くて」と書きました。でも、私は暑がりなので、「秋の気候が良い」は直感的に理解できるのですが、実際、秋は台風が多く発生する季節で、夜はけっこう寒いです。人によっては「秋の気候って良いかな?」と感じてしまうかもしれません。そこで、次のように、もうちょっと言葉を付け加えてみましょう。

  • 気候が良くて → 暑さがやわらぎ過ごしやすくて
  • 気候が良くて → ジョギングするのにちょうど良くて

これであれば、多くの読み手に同じ状況をイメージさせやすく、客観的な表現であるため、納得しやすくなります。このように、一般的に作文は文章が主観的で、小論は文章が客観的になります。

ちがう点② 文章の構成

続いてのポイントは、文章の構成です。次のようなちがいがあります。

  • 作 文:主張(言いたいこと)は最後までとっておく
  • 小論文:最初に主張(言いたいこと)を書く

作文では、主張は最後までとっておくことが多いです。もちろん最初に書いてもOKですが、本当に一番言いたいことは終盤の切り札としてキープしておきましょう。序盤や中盤では隠しておいて、クライマックスで盛り上げる。そんな物語っぽい書き方ができるのが作文です。

一方、小論文では、最初に主張を書きます。これは小論文やビジネス文書では絶対的なルールです。何を言いたいかが最初に書いていない小論文は、赤信号の交差点に突っ込んでいくようなもの。基本ルールが守られていないのです。

あの名作を小論文にしてみた

誰でも一度は聞いたことがある「桃太郎」。これを小論文っぽく書いてみると、次のようになります。上記のポイントを思い出しながら読んでみましょう!

桃太郎は鬼を退治し、幸せに暮らしました。

彼がこのような成果を上げた理由は3つあると考える。

1つ目は、彼がおじいさんとおばあさんの愛情をたっぷり受けて育ったことだ。いくら自分の能力に自信があったとしても、人間1人と動物3匹で敵の領土へ乗り込むことは常人の所業とは思えない。自分を立派に育ててくれたおじいさんとおばあさんへの溢れんばかりの愛が、彼に奇跡的かつ超人的な力を与えたものと推察する。

2つ目は、彼がキビダンゴを動物に分け与える優しい心を持っていたことだ。彼は犬、サル、キジに対し、何ら見返りを求めることなくキビダンゴを差し出した。そもそも、決して裕福ではなかった時代において希少価値の高いであろうキビダンコは、人知れずこっそりと1人で食べる方が自然である。それにもかかわらず、彼はあろうことかキビダンコを腰につけて威風堂々。結果、動物たちに団子をよこせとせがまれ、その3匹がのちに鬼ヶ島で重要な役割を担った。利益を独占することなく分かち合う、彼の優しさがあったかこそ成しえた事業であったと考えられる。

3つ目は、彼の巧妙な川下り戦略だ。通常の登場の仕方ではドラマ性及びメッセージ性に欠けると考えた彼は、川下りに使用する自らのゆりかごとして、まさかの「桃」をチョイス。その中に潜伏することで機を待つという作戦に出た。全くもって斬新な手法である一方、正直なところ、これだけではおばあさんが気づかずにスル―してしまう蓋然性が拭えず、ややハイリスクな策である。これに対し、彼はここ以外ではどこも使いどころがないのに誰もが知っているあの名曲、DONBURAKOをプレイすることにより、見事おばあさんを釘付けにすることに成功し、望み通りの生誕を迎える運びとなった。彼の登場に係る演出は二重にも三重にも練られた緻密で精巧なものであり、世界中に数多のファンを獲得したことは必然であったといえる。

以上の点から、彼は鬼を退治し、幸せに暮らすことができたものと考える。

まとめ

 作文小論文
文章のゴール文章で自分の考えを相手に伝えること文章で自分の考えを相手に納得させること
文章の構成主張(言いたいこと)は最後までとっておく最初に主張(言いたいこと)を書く

作文と小論文のちがい、もう大丈夫かな!?今回は基礎編でしたので、今度は実践編として、「小論文の書き方」をまとめてみます。公務員試験編が一番かけそうかなぁ。作成し次第リンクをはりますので、お楽しみに!

本で体系的に学びたいという方は、小論の達人・樋口先生の本がおすすめです。