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日本では中学生の98%以上が高校に進学しています。
今回は「公立中学校に通っていて、はじめて受験をするよ!」という人を対象に、受験校の選び方を書いていきます。
- はじめての受験で心配
- 行きたいと思える高校がない
- 高校の選び方が分からない
- 自分は志望校選びであまり迷わなかったので考えたことがない
という方は、ぜひご覧ください!
★書いた人
- 塾長のらいむら先生です
- 国立大教育学部を卒業
- 大手個別指導塾で1,000人以上の生徒さんの受験のお手伝いをさせていただきました
もくじ
志望校(高校)の選び方
考え方
結論から言いますと、基本的な考え方は次のとおりです!
- 中3の12月時点の偏差値が60未満なら、ワンランク下げた高校で上位キープを狙う
- 中3の12月時点の偏差値が60以上なら、チャレンジ受験で食らい付いていく
中3の12月時点の偏差値を基に考えるのが基本です。
実際には、これに加えて「家からの通いやすさ」「学校の雰囲気」「部活動」「本人の性格」「受験までどのように過ごしてきたか」など、個々人の事情を考えて決めていくことになりますが、今回はわかりやすく偏差値で2パターンに分けて紹介します。
そもそも、選べる学校が少なく、「通いやすさ(近さ)」と「偏差値」以外の要素のない地域の方が多いです。
同じくらいの偏差値に、通える高校が2つも3つもあるというのは、首都圏に限った話ですね。
各都道府県の模擬試験(模試)を受けよう
偏差値は、各都道府県の模擬試験の結果で出た数値を参考にしましょう。
偏差値って、平均点と同じだと50になるやつだよね!
偏差値は、「同じテストを受けた人の中で、平均とどれくらい離れているか」を表す数値です。
そのため、幅広い学力層の人がたくさん受けたテストでないと、意味が薄いです。
たまに学校内テストでの偏差値をもとに志望校を考える方がいますが、これは×。
受験者が学年の人数(100~300人程度)では、ちょっと数が少なすぎるからです。
基準にする偏差値は、各都道府県の代表的な模試を受けて出しましょう。
- 茨城県 茨城統一テスト
- 千葉県 総進テスト
- 宮城県 新みやぎもし など
中3の9月以降の模試であれば、多くの中3生が塾などを通して受験していますので、人数も学力層も十分です。
私立高校などの大きな会場で受けられるところを探し、本番に近い環境で受験すると◎。
偏差値60未満 → ワンランク下げた高校で上位キープ
中3の12月時点で偏差値が60未満だという人は、現在のレベルよりワンランク下の高校を選ぶことをおすすめします。
理由は次の3点です。
- 理由① まだ「勉強」が得意じゃない
- 理由② ×より〇を増やす
- 理由③ 進路は推薦で決められる
理由① まだ「勉強」が得意じゃない
ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、中3の12月時点で偏差値が60に満たないのであれば、まだ「勉強」が得意じゃないと考えるべきです。
これは頭が悪いと言っているわけではなく、入試で最も求められている「決められた範囲を期日までに処理する力」が、まだちょっと低いということです。
偏差値60以上の高校は「進学校」と呼ばれ、いかに多くの生徒を有名大学へ進学させるかということに重きが置かれることが多いです。
進学校には、例えば次のような特徴があります。
- 進路面談のテーマは「どの大学に行くか」。専門学校や就職という選択肢はあり得ません。志望する大学がない場合は、とりあえず国公立大学を目指して勉強しろ、という展開になります。
- 授業のペースがとにかく早い。ふつうの学校では高2の4月から学び始める「数学Ⅱ」は、進学校では高1の12月には学び始めます。
- 学校から何人合格者が出せたかの競争。「今年は〇〇人が東大に現役合格しました!」と大々的に紹介されています。
このような特徴自体は、決して悪いことではありません。
しかし、そこから生徒たちにどうしても伝わってしまう「有名大学への進学こそ正義、勉強こそ正義」というメッセージは、点数が伸びずにもがく生徒にとって、大きな苦痛となりえます。
このような環境に、勉強が得意じゃない生徒が入ることを、皆さんならどう思いますか。
とにかく上のレベルを目指して突き進め!!
ついていけないのはお前の努力不足だ!!
もっともっと頑張れ!!
…と言えますか?
少なくとも、相当な覚悟をもって挑まなければ、合格できても、授業についていくことは難しいです。
そういうわけで、中3の12月の模試で偏差値60以下なら、私はワンランク下げた受験をおすすめします。
関連:授業についていけない
理由② ×より〇を増やす
教育の本質は自己肯定感を育てることにある、と言われています。
自己肯定感とは、自分自身の存在や価値を「OK!」と肯定する感情です。
自己肯定感が高い人は、失敗にへこたれず、たくましくチャレンジしていける人間であるといえます。
そういう人っていいですよね。
自己肯定感は一般的に、肯定されると上がり、否定されると下がります。
確かに、もし入試に落ちたり恋人にフラれたりしたら、なんだか自分が拒否されたような、NOを突き付けられているような、そんな気持ちになりますよね。
単純な話、進学校は勉強のレベルが高いので、勉強で「×」をもらう機会が増えます。
逆を言えば、ワンランク下げた高校へ行くことで、勉強で「〇」をもらう機会が増え、自己肯定感を高く保ちやすくなり、何事にもチャレンジしていける土台が作れます。
非常に大きなメリットです。
もちろん、ランクを下げすぎて得た〇では、あまり自己肯定感は伸びません。
下げるのは「ワンランク」というところがポイントです。
×より〇を増やす教育で、自己肯定感を伸ばす!
理由③ 進路は推薦で決められる
3つ目の理由は、進路は推薦で決められるから、ということです。
ここまで読んでいただくと、次のような疑問をもつのではないでしょうか。
ワンランク下げた高校で上位をキープできたところで、進学校でゴリゴリに勉強している子たちには敵わないんじゃないの?
答えはYESです。
学力では進学校の生徒には勝てません。
おそらく進学校で下の方の生徒にも勝てません。
クラス全員、いや学校関係者全員が大学進学を目指す環境にいる生徒に、同じ土俵で戦って勝てるわけがありません。
そこで、推薦を使います。
各高校は、指定校推薦といって、大学への推薦枠をもっています。
「この生徒はウチの高校で3年間ずっと優秀でした。だから試験ナシで(面接だけで)入れてあげてくださ~い!」というのが推薦です。
大学としても、高校3年間ずっと優秀な生徒だったら、これからも一生懸命学んでくれそうだ、と考えますよね。
これにより、進学校の生徒と競うことなく、大学に入ることができます。
もちろん、このやり方では選べる進路は極端に狭くなります。
範囲が通う高校が持っている推薦枠に限定されるからです。
しかしそれでも、進学校に行かずに推薦で大学行きを決められるメリットは非常に大きいです。
仮に推薦を蹴ってでも行きたいと思える他の道があるのなら、その時点から本気でチャレンジを始めればよいですしね。
このような理由から、ワンランク下げた場合は、ある意味、上位キープが必須です。
そうでなければ推薦がもらえず、進学校の生徒たちと同じ土俵で戦うしかなくなってしまいます。
高卒で働きたいなら
高校には、会社に対しても、指定校推薦と同じような推薦枠があります。
偏差値50未満の高校を卒業して地元の優良企業へ入っているケースは、ほぼこの推薦を利用しての入社です。
進学校は大学受験には強いですが、会社に対する推薦枠はありません。
というか、そもそも進学校の中で推薦をもらうこと自体が難しい、、。
高卒で働きたい場合も、ワンランク下げることがおすすめです。
高校入試で問われるのは「頭の良さ」ではない
ここでちょっと小話を。
高校入試で問われるのは、「頭の良さ」ではなく、「勉強」ができるかどうかです。
言い換えれば、「知能テストの点数の高さ」ではなく、「決められた範囲を期日までに処理する力」があるかどうかです。
高校入試というものは、事前にいろいろな情報を得ることができます。
試験の日程、試験範囲。多くは暗記が必要となるものです。
これまで実際に出された問題から、出題傾向も分かります。
さらに、自分の内申点や合格ラインも分かっているので、本番で何点とればよいのかも分かる。
この状況で、試験当日に向けて準備し、自分を管理し、点数がとれれば、合格となるわけです。
どうでしょう、知能テストの点数が高い人を合格させるような試験になっていますかね?
それよりも、コツコツやってきた人、地道な作業を継続できる人、真面目な人。つまり、「勉強」ができる人を合格させたいんだろうな~。
こう感じませんか?
もし、あなたが弁護士や医師や公務員になりたいのであれば、「勉強」を攻略して、試験でよい点数をとる必要があります。
意図的にコツコツ積み重ねていく必要があります。
でも、もしこれらの職に就きたいわけじゃないなら、「勉強」が得意じゃなくても問題ありません。
高卒でも自分で稼いで立派に生きている人はいっぱいいますからね。
偏差値60以上 → チャレンジ受験で食らい付く
ここまではワンランク下げることのメリットを書いてきました。
ここからは、チャレンジ受験の考え方を書いていきます。
中3の12月時点の偏差値が60以上あるなら、ランクを下げずにチャレンジすることをおすすめします。
理由は以下の2点です。
- 理由① 「勉強」の力を最大限伸ばす
- 理由② 〇より×を増やす
理由① 「勉強」の力を最大限伸ばす
偏差値60以上だと、だいたい100人中15位以内というレベルになりますので、割と「勉強」に向いていると考えられます。
向いているのなら、その武器を活かした方が良いと考えます。
進学校へ行くことで、「勉強」力の最大化を狙うわけですね。
実際、公務員として働いてみて思ったのは、直接仕事に活かされる勉強は国語と数学くらいのもので、それよりも、締め切りのある複数の仕事を同時に進める管理能力・バランス感覚が重要ということです。
この点は、複数の教科を並行して進める受験勉強に似ているなぁと感じます。
理由② 〇より×を増やす
ワンランク下げる場合は、×より〇を求めました。
偏差値60以上はその逆で、〇より×を求めます。
偏差値60以上の生徒の多くは理解力が高く、ふつうの子がつまずくところをヒョイと乗り越えてきています。
公立中だとその傾向はより顕著で、基本的に、クラスでは周りから「頭が良い」と思われ、勉強での〇の経験が積みあがっています。
この状態であれば、×を混ぜて苦労した方が、成長が加速します。
ちょっと難しいかも、と思うものにトライして達成できたときが一番伸びるというのは、誰しも経験があると思います。
チャレンジ受験では、不合格という×がつくリスクは高いです。
合格後も、決して楽についていけるわけではなく、×が増えて下位に甘んじることもあるかもしれまん。
でも、それでいいんです。
×になるかもしれないという状況で戦っていけるだけの〇が積みあがっているからこそ成立する、強者の戦略です。
まとめ 志望校の選び方
志望校選びの基本的な考え方は、次のとおりでした。
- 中3の12月時点の偏差値が60未満なら、ワンランク下げた高校で上位キープを狙う
- 中3の12月時点の偏差値が60以上なら、チャレンジ受験で食らい付いていく
世の中には、勝ち組・負け組という言葉があります。
受験に合格すると勝ち組、不合格だと負け組、みたいに使われますが、私はあまり好きではありません。
勝ち負けって、その時点の評価じゃないですか。
しかも他人からの。
高校入試が終わっても、人生はずっと長く続きますよ。
そりゃ不合格となってしばらく落ち込むのは分かるし、合格したら盛大に喜んだら良いと思います。
でも、合格から10年後に、俺は〇〇高校を出ているんだぞ~、だから勝ち組なんだぞ~、なんて思っているやつがいたら、どう思いますか。
あんた10年間で他に言えることないの?としか思わないじゃないですか。
受験で本命の学校に届かなかったからこそ、違う学校で頑張ることができた生徒。
不合格は自分にとって必要なことだったと感じている生徒。
こういう生徒を、私は何人も見てきました。
中学生にとって、合格も不合格も、本当に貴重な経験です。
皆さんのはじめての受験を応援しています!