公務員試験の論述対策を始める前に知るべき最重要ポイント2選

こんにちは!らいむら先生です。

今回のテーマは公務員試験の論述対策

私は働きながら独学で社会人経験者採用枠の公務員試験に合格しました。

社会人採用枠は、通常の大卒採用よりも小論文(論述)・面接の配点が高くなっていることが多いんです!

小論文で合格点をとるために重要なポイント2つをご紹介します。

★この記事でわかること

  • 公務員試験の論述対策を始める前に知るべき基本
  • 社会人経験者採用の情報

論述の最重要ポイント

公務員試験の小論文で最も重要な点は、次の2つです。

  • 質問に答えること
  • 分かりやすい文章が書けること

えっ、何を当たり前のことを…?

そうなんです!

実は公務員試験の小論文では、当たり前のことができていればOKなんです。

だから「小論文がすごくニガテで…」という方でも、とりあえず日本語で文が書けるなら十分合格の素質アリです。

質問に答えること

ここからは重要ポイント2点をより詳しく掘り下げて書いていきます。

まずは「質問に答えること」から!

質問に答えてないと0点

小論文で重視するポイントの1つ目は、「質問に答えること」です。

聞かれていることに答える、聞かれていないことには答えない。

これ、一番大事

そもそも質問に答えていなければ、どんなに文字を書いても0点だからです。

その観点からすると、文章は結論から書き始めることが重要です。

結論から書き始めることの重要性は、次の例題と解答例を見比べると一目瞭然です。

例題で確認

<例題>

我が国において今後長期的に人口減少・少子高齢化が見込まれる中、経済の復活のための成長戦略の柱として「観光」が注目を集めている。このような状況を踏まえ、我が国が観光関連産業を推進する必要性や意義について、あなたの考えを書きなさい。

× 悪い解答例

  • 日本は現在、長期的な人口減少・少子高齢化が問題となっている。人口減少は長時間労働や晩婚化、更には妊娠や育児に対応できる環境が整っていないことが原因となっている。そのため生産年齢人口が減少し、日本の経済全体が衰退することにより、…

ここまで読んでも、まだ質問に対する答えが出てきていません

採点者に「で、答えは?」と思われてしまいます。

このように、核心部の結論を書かず、外堀りの状況説明からスタートすると、読み手に「結局何が言いたいの?」と思われてしまいます。

〇 良い解答例

  • 日本の経済復活のため、観光関連産業の推進が必要である。理由は3点あり、1点目はコロナ禍により外国人訪日客が激減していること、2点目は日本には多くの世界的な文化遺産や文化財があること、3点目は日本の第三次産業の従事者数と割合が増加していることである。まず1点目については、~

書き出しは「問題文のコピーかな?」と思われるかもしれません。

ですが、問題文は「観光を推進する必要性は何ですか?」と聞いています。

それに対して、「日本の経済復活のためです」と簡潔に答えています

その後で詳しく理由を述べるという構成になっていますね。

質問に対する解答が、はっきりとわかります。

(参考)頻出の出題パターン

ここでちょっと小話。

公務員試験の小論文では、次のような構成が多いです。

  • 7~8行のリード文で現状の説明
  • 設問(1)で現状の問題点やその理由が問われる
  • 設問(2)で(1)を解決するための具体的な施策が問われる

以下、ちょうど良いテンプレ例を見つけましたので、引用元とともに掲載します。

令和2年12月、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」が閣議決定された。本年9月にはデジタル社会形成基本法の施行が予定されている。本県においても、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指す「埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画」を本年3月に策定したところである。そこで、次の2点について900字以上1,100字以内で論じなさい。

1 デジタル社会の実現が求められる社会的背景、理由は何か。

2 デジタル社会の実現に向け、行政が取り組むべきことや取り組む上での課題は何か。

埼玉県庁HP https://www.pref.saitama.lg.jp/f1903/saiyou/reidai.html

プチまとめ

このパートの内容をまとめると以下のとおりです。

  • 聞かれていることに答える
  • そのために結論から書き始める
  • 問題文の冒頭は状況説明から入るが、解答でそれをやったら迷子になる

ちなみに、公務員として働くと、

  • 住民からの電話や手紙に回答したり、
  • 議会の答弁書を作成したり、

と、質問に答える機会が多々あります

質問に答えることは、まさに公務員の必須のスキルですね!

分かりやすい文章が書けること

独創性はいらない

小論文で重視するポイントの2つ目は、分かりやすい文章が書けることです。

「分かりやすい」文章であることが重視されますので、独創的な施策は一つも思い浮かばなくてOK。

一般的で、ありきたりで、どこかで見たことのあるような施策を、分かりやすく堂々と書けば合格です。

書く前の構成が9割

じゃあ、分かりやすい文章てどういうもの?

それは「結論⇒理由(根拠)⇒結論」の順序で書かれた文章です。

小論文とは、自分の考えを相手に納得させるための文章のことを言います。

最初に自分の考えを述べたうえで、その理由や根拠を補っていく書き方が求められます。

先ほど出てきた「結論から書き始める」は、ここでも出てくるわけですね。

そしてこの順番で書くには、何をどの順番で書くか、書き始める前にイメージできている必要があります。

小論文の試験が開始したら、まず深呼吸をして(これけっこう大事)、問題文を読み始めます。

そして、

  • 問題用紙の余白をフル活用して、
  • 文書を書くための材料出しと、
  • 全体の構成決め

に取り掛かりましょう。

答案を書き始めるのはその後です。

結論がぼやけるときはグループ分け

書く順番はわかったけど、問題文によってはうまくその形に持っていけないよ!

こういう場合におすすめなのが、材料をグループに分け、それを結論のようにして書き始めることです。

「ちょっと何言ってるか分かんない」ですよね、、、笑

どういうことか説明していきます。

例題として、先ほど出した埼玉県庁の設問2に再び登場してもらいます↓

2 デジタル社会の実現に向け、行政が取り組むべきことや取り組む上での課題は何か。

埼玉県庁HP

この問題を読んで、行政が取り組むべき施策は何個か浮かぶけど、結論を書けなさそうだという場合。

例えば、次の4つの施策が浮かんだとします。

  • 各種手続きのオンライン化
  • テレワークの推進
  • セキュリティの強化
  • 高齢者等への啓発

そういう時は、浮かんだ施策がそれぞれどんな課題を解決するかでグループ分けができないかを考えます。

  • 各種手続きのオンライン化&テレワークの推進
  • ⇒ 業務効率・生産性の向上
  • セキュリティの強化&高齢者等への啓発
  • ⇒ 想定される問題への対策

グループ分けができたら、それをタイトルにして結論のように書き始めます。

  • 行政が取り組むべきことについて、生産性向上の点と、デジタル化の問題点対策という点から述べる。生産性向上の点では、~

このように書くことで、ダラダラと施策を列挙する場合に比べ、格段にスッキリします。

どちらがより分かりやすい文章かは明白でしょう。

公務員は文書主義ですので、仕事における文書作成の比率は民間よりかなり大きいです。

小論文の技術は働き始めてからも活かされまくります。

カッコイイ公務員になるために、張り切って取り組んでいきましょう!

まとめ

今回は公務員試験の小論文を書く時のポイントについてまとめていきました。

これで基本は十分身に付きましたので、後は練習あるのみです。

本で体系的に学びたいという場合は、こちらの書籍がおすすめです。