“I”を「私」と訳すな!学校で教えてくれない英語の超基本ルールをわかりやすく解説

「小学校では英語が好きで、中学に入っても特にニガテなイメージはなかった。でも中2になる頃から急に点数がとれなくなってきて…」。塾ではこういう英語の相談がとても多いです。

解決策は、学校で教えてくれない「英語の基本ルール」を身に着けることです!

今回は英語の基本ルールを学びましょう!

★この記事はこんな人におすすめ

  • 英語のテストの点数が低い
  • 英語はなんとなくで解いている、解けちゃっている
  • 英語の細かい文法なんて意識したことがない
  • 英語は言葉だ、こんなもの、やれば誰だってできるようになる
  • 自分は英語ができる方だったので苦手な人の気持ちがわからない

★この記事を書いた人

  • 塾長のらいむら先生です
  • 国立大教育学部を卒業
  • 大手個別指導塾で1,000人以上の生徒さんを指導

中学英語は、最初の1年が肝心です。最初の1年間で「英語の基本ルール」をマスターできれば、後は単語数を増やしながら長文を読む練習をしていくのみとなり、非常にラクになります。

逆に、「英語の基本ルール」が身についていない状態は、武器なしでレベル上げをするようなものなので、効率が悪くなってしまいます。

もったいぶらずに、早くその基本ルールを教えてよぅ!

「英語の基本ルール」はこの2つ!
①文の意味は単語の順番で決まる
②1文に主語と動詞は1つずつ

①    文の意味は単語の順番で決まる

英語はワンパターン

英語は単語の順番が意味を決めます。

どういうことか説明していきます。例えば「あなたが好きです」と伝えたい時、日本語では次の6パターンの表現があります。

  • 私は、あなたを、好きです
  • 私は、好きです、あなたを
  • あなたを、好きです、私は
  • あなたを、私は、好きです
  • 好きです、私は、あなたを
  • 好きです、あなたを、私は

一方、同じことを英語で言う場合、パターンは次の1つのみです。

  • I love you.

Love you I.とか、You love I(me).にしてしまうと、正しい文章になりませんよね。

これ、実は、日本語には「~は」「~を」といった助詞があるからなんです。日本語では、助詞が変わらなければ、どの順番で話をしても意味が通じます

一方、英語には「~は」「~を」といった助詞がありません。代わりに、単語の順番自体が「~は」「~を」といった意味を持ちます。ですので、単語の順番を変えてしまうと意味も変わってしまうんですね。

英語はカンタンな言語?

ここでちょっと小話を。

世界を見渡すと、日本語のように「助詞で意味が伝わる言語」は少なく、英語のように「単語の順番が意味を決める言語」の方が多いそうです。理由は、その方がカンタンに自分の気持ちを伝えられるから。

私たちは赤ちゃんの頃から日本語を使って育ってきているので、当たり前のように日本語をしゃべっていますが、世界中の人から見て、英語より日本語の方が圧倒的に難しいんですね。日本語が難しい理由として、次の3つがあげられます。

  • 文字が多い(ひらがな50音、カタカナ50音、中学卒業までに漢字約2,000字)
  • 敬語が複雑(おっしゃる、申し上げる、奉り侍り候、…)
  • 単位が複雑(ウサギは一羽、小型犬は一匹、大型犬は一頭、花は一輪、…)

日本語を間違えずに使える人は、大人でもなかなかいません。

これだけハイレベルな言語を操っているんだから、英語の発音や文法が多少できなくても全然OKだよなぁと思います。日本が世界の覇権を握っていれば…!

“I”は「私」じゃない

英語では、単語の置かれた順番で「~は」「~を」といった意味が決まります。

これを踏まえると、“I”という単語の意味は「私」ではなく、「私は」「私が」だと理解しましょう。同じ理由で、“he”は「彼は」「彼が」、”she”は「彼女は」「彼女が」です。

もっと言えば、和訳の問題では、“I”はふつう訳しません。日本語は積極的に主語を省略するからです。例えば“I like this cat.”を次の2通りに訳してみます。

  • 私はこの猫が好きです。
  • この猫が好きです。

上の訳は、なんだかカタイ印象で、いかにも英語の問題集に書いてありそうな表現です。ふだん言いそうなのは下の方ですよね。

②    1文に主語と動詞は1つずつ

基本ルールの2つ目は、「1文に主語と動詞は1つずつ」です。これは次の2つの意味があります。

  • 1文に主語と動詞が1つずつ入っているのが基本
  • 1文に主語と動詞を2つ以上入れる場合は、追加の単語(andなど)が必要

どの文章もこのルールが守られています。ですので、訳せない文章が出てきても、とりあえず主語と動詞を探すことから始めましょう。

あの、主語とか動詞って何ですか…?

文章の主人公とその動作のことです!
例えば「彼はケーキを食べる」という文章では、
「彼」が主語で、「食べる」が動詞です。

日常会話では主語も動詞も省略するのがふつう

家族や友達との会話では、主語や動詞は省略するのがふつうです。

夜空に花火が打ちあがったら、「きれ~い!!」って言いますよね。

まさか「私はとてもきれいな花火だと思います。」とか「あの花火はとてもきれいです。」とは言わないはず。

日本語は主語も動詞も省略することが多い言語なので、英語の文章を作るときは、主語と動詞が1つずつ入っているか?をチェックするクセがあると良いですね。

I am play soccer.

よくある失敗は、動詞を2つ入れてしまうことです。代表例はI am play soccer.これはまちがった英文です。

え、なんとなくいい感じの英文っぽく聞こえるんだけど、、まちがいなの?

残念ながらまちがいです!1文に動詞が2つ入っているからですね(amとplay)。be動詞と一般動詞は共演NGなんです。

まとめ 学校で教えてくれない英語の超基本ルール

今回は、次の2つの「英語の基本ルール」を紹介しました。

  • 文の意味は単語の順番で決まる
  • 1文に主語と動詞は1つずつ

文法の勉強が好きじゃないという生徒は多いです。

私もそうでした。先生に「なんで?」と聞いても「こうなってるんだから仕方ないだろう、とにかく覚えなさい」と言われることが多かったからです。

確かに、新しい文法はその都度覚えるしかないのですが、上記2つのような、大元の基本ルールを知っていると、新しい文法の身に付き方は全然ちがってきます

基本ルールを知らずに英語の学習を進めることは、泳げない人をいきなり大海に放り込むようなもの。慣れるまでは、基本ルールという浮き輪をそばに置いて練習しましょう。

おすすめの参考書はあるかな?

学研の「ひとつひとつわかりやすく」シリーズがおすすめです!

問題量が少ないので、苦手な生徒がやり切るにはぴったりの一冊です。買っても全然使わなかったらもったいないですからね。

中2生・中3生には、中1内容からすべて載っている「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」がいいでしょう。受験までこれ一冊で乗り切れる参考書です。

中1生は「中1英語をひとつひとつわかりやすく。」からスタートしましょう。