よくわかる右翼と左翼【ニュース用語攻略シリーズ】

こんにちは!らいむら先生です。

今回のテーマは右翼と左翼

政治・経済・金融などのニュース用語に苦手意識をもつ方に向けた学習まとめ記事です。

ニュースでよく聞く「右翼」「左翼」や、「右寄り」「左寄り」といった用語の意味、今日でマスターしちゃいましょう!

政治だけでなく、選挙や経済を理解するにも役立つ内容になっています。

概要

詳細な説明に入る前に、まずは全体の概要をざっくりとつかみましょう!

右翼・左翼を表すキーワード

右翼・左翼とは、政治的立場を表す対立的な考え方のことです。それぞれのキーワードは次のとおりです。

項目左翼右翼
方針進歩主義(リベラル)保守主義
重視するもの現状打破・推進・変革現状維持・伝統重視
経済面積極介入・再分配自由競争・成長
福祉面共助(高負担・高福祉)自助(低負担・低福祉)

それぞれに長所や短所があり、片方がより優れているということではありません。

保守とリベラル?

ちょっと待ってよ、保守とかリベラルとか、いきなり聞きなれないワードが出てきたんだけど…!

保守とリベラルは、右翼・左翼の代名詞です!これを知るだけで右翼と左翼はほぼ完成です!

保守とは、伝統や現状を重視し、改革を慎重に進める立場を指します。保守派は、過去から引き継がれてきた価値観・制度・歴史を尊重し、急激な変化が社会に混乱をもたらすことを懸念します。

リベラルとは、個人の自由や平等を重視し、改革を推進する立場を指します。リベラル派は、新しい価値観や社会的な変化を積極的に受け入れ、個人の権利や社会的公正を強調します。

保守政党とリベラル政党

各国の代表的な保守派の政党、リベラル派の政党は、次のとおりです。

左翼・リベラル政党右翼・保守政党
日本立憲民主党自由民主党(自民党)
アメリカ民主党共和党
フランス社会党共和党
イギリス労働党保守党

政治における右と左

概要をおさえたところで、ここからは詳細を見ていきましょう!

呼び名の由来

1789年のフランス革命真っただ中、フランス国民議会での座席配置が、右翼と左翼の語源となりました。

国王や貴族を支持する保守的な議員は、議長席から見て右側に座り、急進的な改革を求める議員は左側に座りました。この座席配置から、保守的な立場を「右翼」、進歩的(リベラル)な立場を「左翼」と呼ぶようになりました。

座っていた場所がそのまま思想の名前になっちゃったんだね!

右翼の考え方

右翼、右的な考え方の特徴は、次のとおりです。

  • ①伝統や秩序を重視する
  • ②愛国心や国家主義的な考え方を持つ
  • ③経済的自由主義を支持する
  • ④保守的な社会観
  • ⑤強いリーダーシップを好む

①伝統や秩序を重視する

その人が伝統的な価値観や社会の秩序を重んじ、急激な変革や新しい価値観に対して慎重である場合は「右」です。

例:家族の在り方や社会の規律について、従来の慣習を尊重する。

②愛国主義や国家主義的な考え方を持つ

国や地域に対する強い忠誠心や愛国心を持ち、国益や国家の強化を優先する考え方を持っている場合は、「右」です。

例:国防や移民問題に関して、強硬な姿勢をとる。

③経済的自由主義を支持する

政府の介入を最小限に抑え、市場経済や個人の経済的自由を強く支持する場合は「右」です。

例:規制緩和や減税を支持する。

④保守的な社会観

社会的な問題の取り組みに対して消極的で、伝統的な家族観や宗教的価値観を支持する場合は「右」です。

例:ジェンダーやLGBTQの権利に対して慎重な姿勢をとる。

⑤強いリーダーシップを好む

政治や組織において、強いリーダーシップや権威主義的なアプローチを支持する場合は「右」です。

例:安定や秩序のため、厳格な統治や法の強化を支持する。

また、右翼の中でも、極右(きょくう)と呼ばれる過激なグループは、排外主義や反移民感情を強調し、特定の人種や民族に対する偏見や差別を助長することがあります。

左翼の考え方

左翼、左的な考え方の特徴は、次のとおりです。

  • ①平等や社会的公正を重視する
  • ②多様性を尊重する
  • ③進歩的な社会改革を支持する:
  • ④政府の積極的な役割を支持する
  • ⑤反権威的な姿勢を持つ

①平等や社会的公正を重視する

その人が社会的な平等や公正を強く重視し、格差の是正やマイノリティの権利保護を支持する場合は「左」です。

例:貧困層への支援や社会福祉の拡充を主張する。

②多様性を尊重する

多様な価値観や文化、ライフスタイルを尊重し、異なる背景や意見を持つ人々を受け入れる姿勢が強い場合は「左」です。

例:LGBTQの権利擁護や移民の受け入れを支持する。

③進歩的な社会改革を支持する

社会の変革や進歩を積極的に推進し、既存の制度や慣習にとらわれず、新しい政策や価値観を導入することを支持する場合は「左」です。

例:ジェンダー平等を目指す。再生可能エネルギーを推進する。

④政府の積極的な役割を支持する

経済や社会問題に対して、政府が積極的に介入し、規制や公共サービスを通じて社会をより良くする役割を強調する場合は「左」です。

例:企業への規制を強化し、新たな社会福祉政策を進める。

⑤反権威的な姿勢を持つ

権威主義や伝統的な権力構造に対して批判的で、個人の自由や民主主義を強く支持する立場は「左」です。

例:中央集権に対して分権を促す。市民の直接参加を重視する。

両方あった方がいいの?

右翼と左翼は、さまざまな分野で対立する考え方です。例えば、経済政策においては、右翼は自由市場経済と小さな政府を主張し、左翼は政府の介入を通じた富の再分配と社会福祉の拡充を主張します。

右翼と左翼が、それぞれ異なる価値観から政策を提案することで、様々な社会の重要問題に対して、多くの意見・視点を反映する効果が期待できます。

必ずどちらかに分けられるものなの?

現代において、多くの政治家や政党は、右翼と左翼の要素をミックスした立場を取ることがあります。例えば、経済政策では右翼的な立場を取りつつ、社会政策では左翼的な立場を取る、など。そのため、単純に右か左かで分けることは難しく、複雑です。

さらに、政治的状況によっても、右翼と左翼の意味合いが変わることがあります。例えば、同じ「左翼」であっても、以下の2つはまったく異なる考え方であるといえます。

  • 民主主義を前提としながら社会的平等を目指す、現代社会の左翼
  • 絶対王制を廃止し新しい社会システムを作ろうとする、フランス革命当時の左翼

ケーススタディ:子育ての右と左

右翼と左翼のこと、少しわかってきたかも!

OK!それでは「子どもへの教育」をテーマに、右翼的考え方と左翼的考え方のちがいについて深めていきましょう!

例1:祖先や国の歴史、伝統行事を大切にするように教える。

→ 伝統や家族の役割を重視する、右翼的考え方

例2:「自立」や「努力」の価値を教え、社会で成功するためには個人の努力が不可欠であると教える。

→ 厳格な規律や責任感を重視する、右翼的考え方

例3:すべての人は平等であり、性別や人種、宗教に関係なく尊重することを教える。

→ 平等と多様性を重視する、左翼的考え方

例4:他者への思いやりや共感を重視し、困っている人や弱い立場の人を助けることの大切さを教える。

→ 社会的な公正や福祉を重視する、左翼的考え方

こうしてみると、右翼と左翼、どっちも良いこと言ってる気がするね。

バランスのとれた視点をもつことが大切ですね。

まとめ

「右翼」と「左翼」は、政治的立場を理解するための重要な概念です。それぞれが異なる価値観や政策を反映しており、現代の政治や社会問題における重要な対立軸となっています。これらの用語・考え方を理解することで、ニュースや政治がもっとわかる!